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今後Safariに導入されるトラッキング防止機能の仕組みと効果

問題視されてきたWebブラウザの「トラッキング」とは

ここ最近大きな話題となった、インターネットをめぐる問題の一つに「トラッキング」があります。
「トラッキング」とは直訳すると「追跡」や「分析」という意味を持つ言葉であり、Web用語として使われる時には特定のユーザーがブラウザをどのように操作するか調べることを指しています。

普段からインターネットを閲覧していて、表示される広告が少し前にショッピングサイトやオークションで検索をしたものであったりすることはよくあるでしょう。

そうしたWebブラウザの履歴を追跡して広告をユーザーの興味に合わせるという手法は、今ではインターネット広告では常識的におこなわれています。

しかしトラッキングは必ずしもユーザーにとって有益なものばかりではなく、明らかにデータを利用したと思われるスパムメールや広告を呼び寄せる原因にもなってしまいます。

パソコンやブラウザを個人ではなく複数人で利用をしている場合などは、自分の閲覧履歴が残ってしまうことを迷惑に思うこともあるでしょう。

以前よりiOSの標準ブラウザであるSafariでは、トラッキング機能をオフにする方法が求められていました。
その要望を受けて現在では自分で設定を変更することにより、広告主に送信されないようにできます。

Safariでトラッキング停止をするための方法

Safariでトラッキング機能を停止する方法は、ブラウザのメニューから「環境設定」を開き「プライバシー」から「Webサイトにトラッキングの停止を求める」を選択します。

従来までのSafariでは、このトラッキングの停止はユーザーが希望しなければ停止にならない事となっていましたが、今後は最初から一連の機能を停止する設定にすることがアナウンスされています。

導入されるのは2017年後半にリリースされる「macOS High Sierra」からで、ブラウザを使用したときのプライバシー保護を優先するとしています。

トラッキングの停止というと、単に通信を制限すればよい簡単なもののように思えますが、実際にはそれほど単純なしくみではありません。

というのも現在インターネットで広告を出している企業はサードパーティによるCookieを使用し、そこからAmazonやFacebookでユーザーがどういった行動をとっているかを追跡しています。

そうした追跡はユーザーの行動を長期的に監視するものであり、悪用が可能なものでもあります。

最近ではユーザーの興味を引くためにわざと不快で過激な広告を作成する企業も増えているので、こうしたトラッキングの停止が公式に採用されたことが、今度のインターネット広告に大きな変化をもたらす可能性は大きいでしょう。